スーツの裏地は季節で変えるべき【お洒落な裏地と適切な素材もご紹介】
2024/04/232024/06/09
監修者:テーラーJizi アトリエ縫製職人 山根
「スーツの裏地ってどんな素材や種類があるんだろう?」
「お洒落でこだわりのある裏地にしたいけどどうすれば。。」
という方も多いですよね。
自分のスタイルを作るうえで、裏地など細かい部分にこだわりたい方も多いはずです。
有名ブランドも手掛ける「テーラーJizi」の縫製職人である山根が、スーツ裏地にまつわるさまざまな選び方をご紹介します。
この記事では、下記のことを掘り下げてご紹介します。
・裏地の形状の種類
・適切な裏地の選び方
・裏地のマナー
・裏地のお手入れ方法
後半では、おすすめのお洒落な裏地もご紹介しますよ。
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スーツの裏地の役割
裏地は目立たないパーツですが、意外と着心地に影響を与えています。
裏地って役割があるの?と思われがちですが、下記のような特徴を持っていますよ。
・着るときにスルッと着られる
・汗が表地に染みにくい
・表地を傷から守ってくれる
・見た目が良くなる
ひとつずつ見ていきましょう。
着るときにスルッと着られる
裏地があることで、着るときにスルッと簡単に腕を入れられます。
ツルツルとした生地を使用しているのはこのためです。
たとえばGジャンをイメージしてみてください。
着るときにゴワゴワして腕を通しづらいですよね。
職場で脱ぐ方も多いと思いますし、ストレスなくサッと着られることは大切です。
汗が表地に染みにくい
裏地があることで、表地に汗が染みこみにくくなっています。
肌に表地が直接当たっていると、表地に黄色い汗染みができてしまうこともあるため、裏地を付けてガードしています。
後述しますが、合成繊維より天然繊維のほうが、より吸湿性に優れていますよ。
表地を傷から守ってくれる
内ポケットに入れたペンや、ベルトのバックルなどから表地を守ってくれます。
裏地がないと表地は摩耗したり傷ができたりと、ダメージを与えてしまうため重要な役割を持っています。
表地は穴が空くと簡単に修理できず、目立ってしまいますが、裏地なら隠れますし修理もしやすいですよ。
見た目が良くなる
裏地を付けることで、服の内側の見栄えがよくなります。
なぜなら、裏地がないと表地の切りっぱなしになっている生地端や、ポケットの袋地が見えてしまうからです。
基本的に表地と裏地の間の見えない部分は、切りっぱなしにするなどして、極力手間を省いています。
そうすることで、工賃が低くなり購入しやすい価格にできるのです。
そんな見えてほしくない部分を隠すためにも、裏地を付けていますよ。
スーツ裏地の仕様と特徴
スーツ裏地には主に、総裏、背抜き、半裏(7分裏)の3種類の形状があります。
季節や気温に合わせて使い分けましょう。
総裏
総裏は洋服全体に裏地がついている仕様です。
全体に裏地が付いていることで、保温効果とシンプルな見た目が得られます。
中に隠れている表地の端は切りっぱなしでよいため、手間がかかりません。
背抜き
背抜きは、背中の裏地が半分になっている仕様です。
半分になっていることで通気性がよく、蒸れにくい効果が期待できます。
脇と背中心の縫い目が見えてしまうため、縫製時にはパイピング等の処理が必要です。
半裏(7分裏)
半裏は、背中の裏地は半分になっており、前身の裏地も半分ほど削られている仕様です。
最も涼しい仕様で、夏のジャケットとしてオーダーされますよ。
脇と背中心の縫い目に加えて、腰ポケットも見えてしまうため、一番手間のかかる仕様ともいえます。
各仕様の使い分け
それぞれの仕様は、下記のような時期に着るとよいでしょう。
総裏
10月〜4月
背抜き
5月〜6月、9月〜10月
半裏(7分裏)
6月〜8月
このように仕様によって適切な着用時期が違うため、いつ着るかを考えて購入しましょう。
夏に総裏を着ると、暑くてベタベタしてしまいますよ。
スーツ裏地に使われる素材の種類
スーツの裏地には、主に合成繊維、天然繊維、再生繊維の3種類の素材があります。
それぞれ特徴が異なるため、用途に合わせて適切な素材を選びましょう。
天然繊維
天然繊維は名前のとおり、自然の繊維からできています。
代表的なものは下記です。
・コットン
・シルク
肌触りと通気性に優れているため、シルクは高級スーツに好んで使われる素材です。
しかし、水に濡れてはいけない等の制限があるため、お手入れに手間がかかるデメリットがあります。
合成繊維
合成繊維は合成
代表的なものは下記です。
・ポリエステル
・ナイロン
強度が高く、安価で扱いやすいのが特徴です。
一方で、通気性が悪く静電気が起きやすいというデメリットもあります。
あまり汗をかかない場所で着用するときにおすすめな素材ですね。
再生繊維
再生繊維は天然繊維を人工的に取り出して加工したものです。
加工していますが、天然繊維の良さを引き継いでいる生地もありますよ。
代表的なものは下記です。
・キュプラ
・レーヨン
キュプラは綿花から原料を取り出しているため、コットンと似た吸湿性や速乾性がある素材です。
肌触りもよく、汗をかく心配がある方はキュプラが最適でしょう。
スーツ裏地選びの注意点
お洒落な裏地を選んだとしても、着こなしによっては下品に見えてしまいます。
裏地を決めるうえで気をつけるべきポイントをご紹介します。
裏地が派手すぎると子供っぽく見えてしまう
ビジネスで着る場合は、あまり派手な裏地にしないようにしましょう。
成人式のような少し子供っぽい服に見えてしまいます。
また、裏地が派手すぎると、見た目が悪くなるだけでなく非常識な印象を与えてしまいかねません。
ビジネスで着る場合は、表地と似たような落ち着きのある裏地をおすすめします。
ベストに気をつけましょう
裏地を決める際はベスト姿に気をつけましょう。
ほとんどの場合、ベストの後ろ見頃は裏地で作られています。
ベストの上にジャケットを着用しない場合は、派手な裏地が常に見えていることになってしまい、思ったより派手な印象を与えてしまうことも。
スリーピースでオーダースーツを作る場合は、ベスト姿でもカッコよく見えるかチェックしたいですね。
スーツ裏地のお手入れ
裏地は表地に比べ、通気性が乏しいものが多いです。
できれば通気性のよい場所に保管することが望ましいですね。
また、裏地が破れてしまった場合は、取り替えることも可能です。
ものによっては少し大掛かりな作業になる場合もありますが、Jiziにお気軽にご相談ください。
全国発送も可能ですよ。
お洒落なスーツ裏地の選び方
お洒落なスーツ裏地の選び方は、下記の3つを基準に考えましょう。
バーでジャケットをハンガーに掛けるときに、センスのよい裏地がさりげなく見えたらカッコいいですよね。
表地に合わせた配色
あえて裏地を目立たせる配色です。
無地だけでなくペイズリー柄やドット柄、馬など特定のモチーフの裏地も取り揃えていますよ。
表地をベースに裏地の色を決めると、まとまりよく見えます。
ネイビー系の表地ならブルー系の裏地、ベージュ系の表地ならブラウン系の裏地、といったように、同じ色相のものを選びましょう。
上の画像のように、チェック柄にブラウンが使ってあれば、そのブラウンを裏地に取り入れるのもお洒落でおすすめですよ。
裏地をアクセントにした配色
あえて裏地を目立たせる配色です。
無地だけでなくペイズリー柄やドット柄、馬など特定のモチーフの裏地も取り揃えていますよ。
既製服では見られないため、話のネタにもなります。
シーン・季節に合わせた選び方
季節によって裏地を決めるのも、乙な雰囲気でおすすめです。
たとえば下記のような配色。
・やんわりとした桜のピンク
・涼しげな海のブルー
・渋めな秋のブラウン
・すっきりとした雪のホワイト
季節の移ろいを見えない場所で表現する、上級者の裏地選びですね。
「Jizi」はこだわりの強いお客様が得意です
Jiziは「お客様の要望を最大限叶える服作り」ができるテーラーです。
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